山内のことが好きだと分かった瞬間、
プリントが前から後ろへ配られる時、
後ろから前へ渡す時、
何もしていない時、
何かしら緊張というか、胸が高鳴るようになった。
単純だよな、俺。
ふわふわの髪効果でも
シャンプーか柔軟剤かわからないいい匂いでも
なんだっていい、
ていうか全部含んでる。
胸が高鳴ってしょうがない。
これが恋ってやつなんだろう。
緊張する割にはなんだか幸せな気持ちだった。
しかし、
それをいとも簡単に破壊するのが山内の左隣のガリ勉だ。
ガリ勉は何かと山内に話しかける。
なんだか気にくわない。
そもそも俺とガリ勉もほとんど話したことがない。
だがなんだかムカついてしょうがない。
山内もだんだん溶け込んでいくように見えた。
その日はハッピーな朝から一転、むしゃくしゃした。

