そして歓迎遠足当日。
結局俺は女子に促されるままにクラスのまどんな様とペアを組むことになった。
俺とパートナーになった小学1年生のチビ君と、
まどんな様のパートナーの泣き虫ちゃんと共に、
目的地までの移動、着いてからのお弁当など全てを共にした。
1年生がすべり台から降りてくるのを、待ち構える俺とまどんな様との間に会話はほとんどない。
「今日ちょっと暑いねー。」とか
「お菓子300円は余裕で超えたよね?」などと言った話しぐらいである。
すると、ふいに山内が視界に入ってきた。
もちろんガリ勉もいる。
それぞれ1年生と手をつなぎ、横一列に並びながら歩く姿を見て、胸がキュッと痛くなった。
なんだあれ、夫婦かよ。
その光景を見た瞬間、午後からのレクリエーションなどどうでもよくなってきた。
いや、待て待て。
俺はどうかしてる。
山内かすみにこうも気分を左右されるなんて。
いや、好きと思ったからか。
そうか、嫉妬か俺。ガリ勉に嫉妬してるんだな。
ガリ勉ととても楽しそうにしている山内。
嫉妬の気持ちとは裏腹に、
今日は一段と可愛く見える。

