それから私と柊人はほとんど毎日のように電話をした。
塾の話、部活の話、進路の話、クラスの噂話、恋の話。
一日に3時間電話し続けた。
今思えばよく話が続いたなぁって思うくらいに電話してた。
ある日私と柊人はいつも通り、電話していた。
〈ガッキーってはるかのこと好きなんだよ。〉
は?
いきなりの言葉にビックリして何も反応ができない。
なんで急にそんな話?
〈あ、そうなの。知らなかった。〉
まぁ、聞いてないし当たり前だよね。
でも、じゃああれはそういう事だったの?
〈反応薄くない?笑〉
〈いや、考え事してて。〉
〈何考えてたの?〉
〈前にさ、男子が私のこと新垣って呼んでたでしょ。〉
〈あー、あったね。〉
〈あれって、女優のガッキーのことかと思ってたんだけど さ。実はこっちのガッキー?〉
〈うん、そうだね。遥華の事好きってみんな知ってたから さ。みんなが告れーって。〉
〈へぇ。〉
〈遥華がよくガッキーの頭撫でるから皆脈あると思ってたん だよ。〉
そうだったんだ。
私、勘違いさせちゃったんだ。
もうガッキーの頭撫でれないかな。
〈だからさぁ、遥華はモテるんだよ。〉
〈いや、そんなことないから。〉
〈だからさ、付き合わねぇ?〉
え?
え、なんで? なんでそんな話になったの?
私たち、なんの話ししてたっけ?
〈ごめん、ちょっと考えさせて。じゃあ今日はおやすみ。〉
こう言って電話を一方的に切った。