「…ねえ、細野。ここで、私をキュン死にさせたいの?」 「何言ってるの?んなわけないでしょ。ほら、行くよ」 強引に私の右手を掴むと、ぎゅっと握った。 外の空気は随分と乾いていて冷たいのに。 細野が繋いでくれてる手だけが凄くあったかい。 ねえ、これだけなのに好きが止まらないよ。 あっという間に、惚れ直しちゃう。 細野はずるいよね。 そうやってすぐ、私の寂しいを消してしまう。 私はいつも与えてもらってばっかり。 何かしたいけどなあ、思いつかない。