どこにも合格してない大学受験をする細野とは違うから、気持ち的に余裕があるんだけど。 だから、余計に寂しいって思っちゃうのかな。 「頑張って、細野」 これだけは必ず言うようにしてる。 応援してないわけじゃないから。 ちょっと、寂しいってだけで。 「おう、実伶奈もね」 返ってきた細野の返事は相変わらず優しくて。 「うん、ありがと」 少しだけ、心が軽くなった。