苦しいよ。
苦しい……。
こういう時に鳴るジングルベルは最高に恨めしいね。
駅の軽快な音楽も。
クリスマスムードだけで、もうイラつく。
幸せそうな雰囲気は、さらに腹がたつ。
「もうやだ」
喧嘩なんてしたことなかったから、仲直りの仕方なんてわかんない。
私が拗ねるといつも細野が折れてくれてたから。
やっぱり甘えてたんだね。
今更みたいに細野の優しさに気付くんだ。
「どうしたらいいの……」
涙は全然止まらなくて、止まる気配さえ知らなくて。
もうプライドなんてなかった。
ここまできたらもう恥でもなんでも晒してやる。
ボロボロの醜い泣き顔のまま改札に入るでもなく、よろよろ歩く。
その時。
「…どうしたんだよ、こんな顔で」



