気がついたらもう駅で。
細野はいなくて。
「帰っちゃった」
バイバイも言わずに。
なんて、1人で言ってみたけど。
なんだか涙は止まらなくて。
息もすごく苦しくなって。
「ふえっ……ふっ……うう」
ごめんね、細野。
ごめんねさえ、言えなくて。
私の気持ちを押し付けてばっかりで、やっぱりダメだったのかなあ。
どうしようね、どうしたらいいんだろうね。
心がね、ぎゅうううって押しつぶされるみたいに痛いの。
そばに細野が居てくれたらなんだって和らぐのにね。
やっぱり甘えてばっかりだったのかな?
でも、本当に琢磨くんはいい人なの。
不良とか、そういう分類で勝手に分けて欲しくない。
細野の名前を呼べない理由だって、正直なことを言ったら幻滅されるかなって思って言えなかったの。



