放課後。 今日は、細野を待たない気でいた。 逢いたくなったのは、違う人だったから。 「聴いたよ」 「…なにを」 「貴方のこと」 理科室で眠る、ううん、寝たふりをし続ける琢磨は、どうでもいいっていうように身体を起こした。 「で?なに?」 「怖くなかったよ」 琢磨が驚いたように私を見た。 だって、私は貴方が苦しそうに目を細めたのを知ってるから。 噂を鵜呑みにするほど怖い人には見えなかったから。 正直に言って、貴方が喜ぶかまではわかんなかったけど。 嘘つきにはなりたくなかったの。