「えっ…」
私は何も言えなくて、ただぼんやりとその場に立ちつくしていた。
「大丈夫?チャイム鳴ったけど」
「え」
気づいたら先生が目の前にいて私を覗き込んでいた。
みんな座ってる、立ってるのは私くらいだ。
「あ、はい」
慌てて座ったけど、あの男の子がちょっと気になって、こっそり観察してみた。
そんなことないって思いながら見ていたけど。
先生は彼がいないかのように、授業を進め、授業を終わらせて、職員室に戻っていった。
気づいたらチャイムが鳴ってた。
あの席の彼は眠ったまま。
みんな教室から出て行く。
ねえ、どうして。
私だけが残ったまま、呆然と彼を見ていた。



