ぼんやりと、眺める景色は色鮮やかなはずなのに。 私の気持ちはどんより曇り空だ。 雨が降りそうな勢い。 『ごめんな』 そう、細野は何度も眉を寄せて謝ってくれた。 別に細野が悪いわけじゃないのは分かってる。 今はそういう時期だから。 だから、仕方ないんだ。 『クリスマスは、実伶奈とは過ごせない』 その言葉1つで言い合いという名の攻防戦も何もなく、終わりがやってきてしまう。 終了のチャイムが鳴らされた気分だ。