ああ…、どうして。


今さら泣いても遅いのに、そう思わずにはいられなかった。


どうしてこうなっちゃったんだろう。


あたしはその場にしゃがみ込んだ。


…ううん。


答えはずっと自分の中に有った。


本当はとっくに気付いてた。


だけど認めたく無かった。


4つも年下の永治にドキドキして、翻弄されて…、振り回されてる自分に対して。


まだ高校生の彼を意識して、笑って欲しいと願う気持ちに対して。


あたしはずっと顔を背け、嘘をついてた。


その結果がコレなら…今は真摯に受け止めるしかないんだ。


永治を傷付けたのは幼稚で身勝手なあたしだから。





――波はまた穏やかさを取り戻していた。


ただ、それはとても冷たく悲しい海。





もう…




エージの顔しか浮かばないよ。