「田辺。」

「ん?何。」
今日も修也君から話かけられる。
嫌ではないけれど、少々めんどくさい。

「わりーけど、勉強教えてくれね?田辺さ、
教えるのがうまいし。」
え、あ、うん…

「どこ?」
ささっと終わらせよっと。

「ここなんだけど…」

「あぁ、ここ若干難しいけど、コツ掴めば
簡単だよ!」

「コツ?教えて!」

「うん、まずはね…」

*

「田辺のおかげで、すっかりわかっちゃった
よー、田辺いつもありがとな!」
感謝される時って、こんなに嬉しかったっけ?
なんか…変な感じ。

「またわからなくなったら、言ってね。」

「おう、さんきゅ!」
手を大きく振ってくる。
私も小さく振り返した。