「はぁ…おはよう。」
私は言いながら机に突っ伏した。
目の前にいる佐伯菜結(Saeki Nayu)は驚きつつも優しく声をかけてくれる。
「どうかしたの?これから入学式だよ。」
「うーーん。それが問題なのよー。新入生に幼なじみが居てさ、その子の連れがね…」
「ん?」
「まー、さっき会って色々疲れちゃって…」
そんな会話をしていると、いつの間にかチャイムがなり私達は体育館に移動した。
みんな眠そうにしているけれど、一年生だけはビシッとしていて緊張していた。
あの二人はどこかなー?
私がキョロキョロしていると見かけたことのない先生に注意をされる。
「そこ。キョロキョロするんじゃない。」
「あ、すいませーん。」
メガネをかけているその奥の目は釣り上がっていて、私はビクッとなった。
こわっ…目つき悪っ。
心の中で文句を言いつつも悪いのは私なので反省した。
この学校は意外と厳しくて先生たちはいつも怒っているように感じる。
けれど、それも最初だけだ。
私は欠伸を堪えながら式が早く終わるのを願った。