「みーつーいー!いくよー!!」
「おっけー。」
私はシレッと呼び捨てしたのに誰も気づく様子はなくて安堵する。
とりあえず軽く走って三井くんにバトンを渡した。
すると、たったそれだけなのに女子は大騒ぎ。
「「「きゃー!!かっこいいー!」」」
うるさ…
そう思っていても声に出さないように気をつける。
「もうちょい、早くに走り出せない?あれだと、詰まっちゃってたよ。」
「でも、うまく出来てたしいいんじゃね?」
「いや、私軽く走ってただけだから…本気で走ったらたぶん詰まって止まっちゃうかもよ…」
「なになに、もしかして陸上やってた?」
「まあね。」
そう言って再びさっきの場所に戻る。
バトン渡しだけで変わるしね。
今度は少し速めに走ってみるも三井くんはさっきと同じスタートで私はもういいやとなってしまう。
「今のどうよ!」
「あー、うん?もう何も言わないよ。」
なんだか、中学の頃の部活を思い出した。
私はいちいち細かいことを気にし過ぎて文句言われていた。
あー、もう、やる気失せたな…
そう思いふと校舎側に目線を向けると伊藤先生が立っていた。

