そんなことも知らない皆は文句を言いつつも早く終わらせるべくくじを引いていった。


私の番がやってくる。
どうか、当たりませんように!!


「えいっ!!はずれろ!!」


そう小さい声をこぼした。
だけど、私の願いなど虚しく私は当たりくじを引いてしまった。


「女子は菅野さんです。男子はまだか?」

「あ、俺だ。」


そう言って手を挙げたのは三井賢太(Mitsui Kenta)だった。


すると、女子のみんながいっせいにがっかりしだす。
なんでかって、三井君はこの学校ではかなりのイケメンだからだ。


うわ。最悪。


私はこの三井君が苦手だった。
去年同じクラスだったんだけど、仕事をろくにしていなかったからだ。


「それじゃあ、菅野さんに三井くん、よろしくね。」

「ちょっと待ったー!!私が代わるわよ!菅野さん!」

「え!ほんと!?」

「抜けがけずるい!私がかわるよ!」

「それなら、私も立候補するわ!!」


次々と他の女子たち、しかも三井くんが好きな子が手を挙げていく。


こんなことなるなら、最初から挙げとけよ…
なんて思うけど、これも三井くんになったから起こりうるわけで…