彼が成長していくにつれて
王はこれはただ事ではないような気がして仕方なかった。
あまりにも無頓着過ぎる。
剣術、天文学、地学、作法…
色々な事を教えてきたが全てにおいて
他の同年代とは比べものにならないほどの成績を出している。
だが、全てに興味を示さない。
そして、彼が10歳の誕生日をむかえた頃、
王はようやく違和感の正体に気がついた。
彼には一切の感情が無かったのだ。
王はとても不安になり、
長い人生の中で一番と言ってもいいほど悩みに悩んだ。
そして、国一番の物知りエイブリーの元を訪ねることを決めた。