王の意向とは反対に、
全ての感情を手に入れてしまったニルは
愛する人をなくす恐怖に怯え
引き籠もるようになってしまった。
彼は時折、部屋から出ると空と大地にむかって
「君はいつでもいるから安心出来るよ…。」
と弱い声で呟く。
そして部屋に戻り

感情なんていらなかった……
フィアを…フィアを返してくれ…
と嘆いている。

そんなニルを見て
王もまた、
彼に感情を芽生えさせるべきではなかった。
と後悔をしていた。