「当然……ですよね」


どうして宇佐美くんがそんな顔をしてるの?



「強引なことしてすみませんでした」


傷ついた顔で謝った彼は、再び私の胸元に手を伸ばした。


ーービクッ。


「もう何もしません。ボタン止めるだけです」


優しい声でささやくと、

その言葉通り、宇佐美くんは私のボタンを全て掛け直してくれた。


「……宇佐美く」


彼の表情がなんとなく、切なくて思わず手を伸ばしてしまいそうになる。



「ダメですよ、こんな男に優しくしたら」



乾いた笑みを浮かべる彼は何を考えているのかサッパリ分からなかった。



「帰りましょうか……」


しん、と静まり返った部屋で小さく伝えた宇佐美くん。


なんだか彼は少し落ち込んでいるように見えた。