気を抜いてはいけない。

みんなの代表でいるために。


「はあ……っ」


だけど、最近みんなの代表でいることに、疲れを感じるようになって来た。

胸を張って立っているのは疲れる。


全然休めてないから体も重たかった。


こんな考えしてちゃダメだ。


今日の放課後は生徒会がない。

早く帰ってゆっくり休もう……。


それから授業を終え、HRを終えると放課後の時間。

私は下駄箱でクツを履きかえる。


すると、校庭ではサッカーをして遊ぶ宇佐美くんの姿があった。


「直人ナイッシュー」

「すげぇー!」


元気だな……。


「お前サッカー部入れよ」

「生徒会があるから無理だよ」


なんでも出来る彼。

どこにいたって注目された存在だ。


どうして宇佐美くんって、生徒会に入って来たんだろう。

きっと何だって出来てしまうのに……。


私なんかとはまるで真逆の人。


ーーはっ。

私はぶんぶんと首を振った。


人のことを考えてる余裕はない。

早く帰ろう。




家に着くと、カギを開けて中に帰る。

シーンと静まり返った部屋が私を出迎えた。


家についたところで両親はいない。


どっちも仕事人間でいつも大事な時に側にいてくれなかった。