「その代わり

あんたは今日から俺のものです」



彼から落とされた言葉に固まる。


俺の、もの……?


宇佐美くんはにやりと笑っていた。


「そうだなあ……まずは

結衣さんから俺にキスしてください」


キス?


「そんなの出来るわけ……」


「結衣さん。

自分のしたこと忘れたんですか?

あんたに拒否権なんてないんです。

先輩のしたことに比べたら俺のお願いなんてかわいいもんでしょ?」


何も言えなかった。


私がしてることと、彼がしてること。

誰に聞いても私が悪いに決まってる。



「まぁいいですよ、選んでもらっても。

俺の言うことを聞くか。

それとも今日のことみんなにバラされて地位を落とすか。

好きに決めて下さい」


……そんなの、選択肢なんてあってないようなものだ。