私は分かっていた。

どんなに頑張っても宇佐美くんには勝てないと。


だからこそ自分の手を染めてしまった。



「俺は……っ、生徒会長なんて始めから望んでいなかった」

「えっ」

「あなたの側にいられるならそれで良かったんです」


ウソ……。


「だって宇佐美くんも生徒会選挙頑張るって、負けませんって私に……」


「それはあなたの横に並べるように頑張るってことです

生徒会に入った理由も全部あなたがいたから

結衣さんがここにいたから俺はこの場所に来たんです」


「そんな……どうして。どうして私なの?」


正直宇佐美くんに好かれる理由が分からない。


宇佐美くんに見せる私の姿はきっと一番みにくいものだと思う。


感情的になって、あたってしまったり

余裕がなくなって嫌なことを言ってしまったり


好かれる要素なんて全然ないのに……。