私がそこまで言うと宇佐美くんは静かに聞き返した。



「なんですか、そのくだらない理由は。

そんな理由で俺が納得すると思ってるんですか?」


「な……っ、くだらなくなんかない!」


私は声を荒げて言った。


大事なことだ。

私がしてはいけないことに手を出してしまった限り

なにをしたって償いきれることはない。


「くだらねぇよ。

好きじゃないって言われた方がよっぽど納得出来る

罪悪感があるから無理だって断られたら俺の気持ちはどうしたらいいんですか」


最後は切なく、消えてしまいそうな声で伝えてくる宇佐美くん。


だって、ずっと恨んでいたはずだ。


「私は……

生徒会長になるはずだった宇佐美くんのポジションを奪ったのよ!?」


あの時私がズルをしていなかったら、生徒会長になっていたのは宇佐美くんだったはずだ。