「じゃあやたら早く帰ろうとしたり、俺が近くに行くと

逃げるようにどこかに行ってしまうのはなんでですか?」


「それは、えっと……その……」



図星をつかれ、私は何も言えなくなってしまった。


「告白した後も何も言わずにどこかに行っちゃいましたし、

こっちはちゃんと気持ち伝えてるのに、逃げるって薄情じゃありませんか?」



宇佐美くんの言う通りだ。

失礼なことしてるって分かってる。


でも。


「だって……全然分からない」

「分からないって?」


「なんで私?

宇佐美くん私のしたこと怒ってたし、それにバラすって脅したじゃない」


小さい声で言うと、宇佐美くんは平然と答えた。


「そりゃ脅すでしょ?

あれを見るまで俺と結衣さんはビジネスパートナーの関係でしかなかったんですから

あなたと近づくためなら、なんだって使いますよ」



すると宇佐美くんは、ぐいっと私を引き寄せる。


「きゃっ」