それから東吾は、時間をかけて丁寧に、私のからだを暴いていった。慈しむ様に触れて、愛おしむ様に隅々まで口づけて。
 私はと言えば、どこにこんな熱情を隠し持っていたんだろうと思うくらい、乱れに乱れた。今まで味わったことのない感覚に翻弄されて、いっそ怖くなってしまうほどで。

 東吾が最後に満足げな息を吐いたころには、私は疲れ果てて、半分意識がなくなっていた。

 ぐったりとした私のからだを抱き込んで、愛おし気に髪を撫でるその仕草が、たまらなく気持ちよくて。

「とーご……」
「ん?」

 気だるい空気に包まれて、とろとろと、眠気が襲ってくる。

「すき……」

 体が揺れる気配で、微かに笑ったのがわかった。私を抱きしめる腕に力がこもって、頭のてっぺんに唇が降ってくる。

 東吾の体温に包まれて、私はうっとりと、眠りについた。それはとても幸せで、暖かな眠りだった。

 そして、この幸せが、この先もずっと続くのだろうと、なんの疑いもなく信じていた。