「やっぱちゃんと言っておかないとと思って」
「何をよ」
「俺、お前のこと好きだから」
余りに唐突な発言に、勝手に口がぽかんと開く。
「は?」
「俺、お前のこと、好きだから」
一言一言区切るように強調する真木の口調も表情も、一切ふざけてる様子はなくて、真剣そのもので。
「友達……」
「じゃなくて女として」
「冗談……」
「じゃねえよ。逆に聞きたいんだけど、お前今まで全然これっぽっちも気付かなかったの?」
反対に呆れたように問われて、私もムキになって言い返す。
「だってあんた、いっつも合コンしたいだの、いい女はいないかだの叫んでたじゃない」
「でも実際彼女なんて作んなかっただろうが。……お前が余りにも俺のことを男として見ないから、待ってたんだよ。友達ポジションなら堂々と飲みに誘えるだろ。言っとくけど、俺が自分から誘ってたのはお前だけだから」
「そんなの普通気付かないわよ」
「気付くだろ、現に周りの人間はほとんど知ってたぜ」
「周りの人間って」
「秘書課の面々とか開発の奴らとか、あと社長も」
「東吾?」
「開発のみんなと飲んでてさ、なんかの流れでとっと彼女作れよって話になった時、苦笑いで謝られたんだよ。バレてねえつもりだったのに、肩身狭くて死にそうだったぜ」
「なんで東吾が知ってんのよ」
「だから俺の態度がわかりやすいからだろ。肝心の本人にだけ伝わらなかったけどな」
