「なぁ、秋斗…」
「ん?」
「オレもいつか東京に行ってまた家族全員と過ごしたいんだ」
「兄貴…」
翔也から出たその言葉ずっと思っていた言葉だ
家族全員で過ごすことがほとんど無く、翔也はずっと叶実に付きっきりで秋斗の相手もろくにしてやれなかった
自分の母親が再婚してからも結局は東京を離れて今なに至っている
その願いは叶実も同じだ
「お前の相手ろくにしてやれなかった。それは叶実もそう思ってる」
「そんなことない。翔也兄も叶実姉もオレがこっちに来てから良くしてくれたし高校ん時の夏休みとかに突然行ってもイヤな顔しなかった…」
「秋斗…」
「血は繋がってなくてもオレの兄さんと姉さんは二人だけなんだよ!」
秋斗はやっとの思いで言い切った
ほんとはずっと言いたかったのだ
歳も離れて血の繋がりもなくて不安になっていた
千咲と咲良を見て羨ましいとも何回も思った
"寂しい"なんてなかなか言えなかったのだ
「オレも叶実もお前が弟で良かったって思ってるよ」
「わわっ!」
そう言うとニカッとはにかみ秋斗の頭をわしゃわしゃと撫でる
それがほんの少し嬉しい秋斗はちょっと恥ずかしそうに笑うのであった


