高校一年生の花咲 美麗は、部屋の片付けをしていた。
今日から、幼馴染の瀬戸口 優樹との2人生活が始まる。
私の父親が母を捨てて家を出て行ってしまい、悲しんだ母は私を捨ててどこかへ行ってしまったのだ。
そして、同時期に優樹の両親も離婚してしまい親がいなくなった私たち二人は同棲することにしたのだ。
いや、なったのだ。
親戚の叔父さんの提案だった。
ただ、私のことを育てたくなかっただけだ。
お金に余裕がないから。
食費や生活費が増えるのが嫌なのだろう。
そして、今。
私は優樹と一緒に使う部屋を片付けていた。
「美麗、片付け終わった?」
優樹が、リビングから来て言った。
顔は高い鼻に、切れ長の目にサラサラの黒髪。
服装はジーパンに白のパーカー。
イケメンだ。
そんなことを考えながら私は返事をした。
「もう、終わるから!」
優樹は、「おぅ。」と言ってまたリビングに戻って行った。