やっぱり、あたしはここが好き...―――
綺麗な景色が空一面に広がってる―――

―――プルルル...

「はい」
『芳ちゃん?無事にマキちゃんとお母さんは助かったよ』
「そうですか」
『あぁ。親父さんも刑務所行きっぽいし』
「それはよかった。これからマキ達は?」
『マキちゃんのお母さんの地元に帰るらしい。空気もいいから、そこで出直すって』
「そうですか。ありがとうございます」

そっか...―――
マキ、お母さんと出直すんだ...―――

あたしも、出直したかったな...―――
父さんが死んだ時、1度でも母さんを信じようと思った。
だけど、信じようとしたあたしがバカだった...

遺産目当てであたしと一緒にいて、
最終的には遺産はあたしだけになって男作って出て行って...―――

やっぱり、あたしは愛情に飢えてるんだ―――
愛なんてないんだよ...信じないよ...―――

――――――――――――――――――

「あのぉ~僕の隣の人は?」
「あぁ。ずーっと来てねぇんだよ。ま、正式に言うと来てるんだけどよぉ」
「どういう意味ですか?」
「世間一般で言う、不良だ」
「不良…?」

あたしはまだ知らなかった...――
これからあたしが愛情は大事なものだと気づくのは...――