リビングで蓮とテレビを見ていた。
「そういえば、今日ってあのドラマがやる日じゃね?」
ふと、蓮がそんなことを言った。
「えっ!?蓮、あのドラマ見てるの!?」
驚いて聞き返すと──
「驚き過ぎだろ……見てるよ。
てか、幼馴染みなら俺の好きそうな番組とか分かるだろ」
うっ、確かに……。
蓮は私の見たい番組を把握してるもんね。
「たくっ……あっ、着いたみたいだ。
ちょっと公園まで迎えに行って来る」
スマホを確認した蓮が玄関に向かう。
私も見送るためについて行く。
ちゃんと戻って来るよね……?
そんな不安を抱えていたら靴を履き終えた蓮が
「そんな顔しなくてもちゃんと戻って来るよ。
叔母さんのハヤシライス食いたいもん」
意地悪くそう言う。
ハヤシライス目当てですか……。
でも、その言葉に安心する。
「じゃあ、行って来る。
すぐ戻るから風呂でも入って待ってて」
そう言って私の家を後にした。
私はこれから来る人がどんな人なのかソワソワしながらお風呂に入った。
「あっ、あの人に報告してない!
1番に伝えたいって言ったのに……!」
私って、本当に抜けてる所があるよね。
いつかの夏美ちゃんに言われたことを渋々と自分でも思うくらいだ。
これは、現実だろうか?
まだ半分信じられない。
「私いま、すっっごく幸せ!」
お風呂に浸かりながら今ある幸せを噛み締めていた。