屋上のドアの前に来たところで私の動きはピタリと止まってしまった。


だって夏美ちゃんが──告白されていたから。


『先輩、好きです!
サッカーのこと色々教えてくれる先輩がカッコよくて好きになっちゃいました。その、良かったら俺と付き合ってくれませんか……?』


そんな内容の告白が聞こえてきたから夏美ちゃんに話しかけるタイミングを逃してしまった。


その男の子は「返事はまだいいです」とだけ言って屋上を後にして、今は夏美ちゃん1人なんだけど……。


夏美ちゃんは告白を受けて放心状態だった。



やがて、ため息をついて……。


「盗み聞きするとか、最低だよ。氷菜」


私の名前を呼んだ。




き、気付かれてたなんて……。