「私がポニテにして来た日あったでしょ?」


夏美ちゃんを傷付けてしまった日でもあるあの日。


「あー、よく覚えてるよ」


少し困ったように笑って言う翼くん。


「その時の蓮の行動の意味が分からないの。
だって、身体目当てで見てたってことは私のことは好きじゃないんだよね?なのに、あの日苦しそうな表情して何か言いたそうに話しかけてきて……。
翼くん、何か知ってるなら……」


言い終える前に翼くんが話し出す。


「あの時まではたぶん、蓮は氷菜ちゃんを好き
だったんだよ。その苦しそうな表情が証拠だ。
だけど、氷菜ちゃんにあんな事を言われて……」


そこまで言ったところで翼くんが1人で考え込む。


蓮が少しでも私を好きだったの……?


「待てよ……これを上手く利用すれば……」



翼くんが何かブツブツと呟いている。



「あの、翼くん……?」



恐る恐る声をかけると……。