学校まで全速力で走る。 遅刻なんてしたら先生にこき使われて夏美ちゃんと話す時間がなくなっちゃうもん。 『あんたにならできるよ、きっと』 彼に言われたその言葉があれば私は何だってできる気がした。 学校に着いたら、翼くんにも謝ろう。 私の今の気持ちを素直に伝えるんだ。 蓮のことをどう思っているのか、ちゃんと話さないといけない気がするから……。 頭の中でそんな計画を立てながら学校を目指して必死に走った。