私があれこれ考えていると……


「それだけって……他に何かあるの?
叫びたければ叫べばいいし泣きたければ泣けばいい。
そんなの、本人の自由だろ?」



そんなことを言う彼……。


そんな考え方、普通しないよ?

なんて、心の中で笑って。



本人の自由、か……。


想うことも、行動も、その全てがその人の自由。


何を考えて行動しているかなんてその人にしか分からないんだ……。


そう考えると、今までの悩みがバカバカしく思えてきた。


「なんか、悩み事がすっかりなくなっちゃった!君のおかげだよ!ありがとう!」


本当にそう思って笑顔で言うと……


「俺、お礼を言われるようなことした覚えはないんだけど」


首をかしげながらそんなことを口にする。


行動すら女の子みたいで美しく思える。


「とにかくありがとう!これ、お礼!」


そう言って私は、いちご味の飴を彼の手に握らせた。


「いや、俺は……」


彼が何かを言いかけたけど今の私はやりたい事で頭がいっぱいだったから振り返ることもなくその場を後にした。