翌日の朝
私はリビングでぼんやりとテレビを眺めていた。
「学校に行きたくない」と言った私をお母さんは何も言わずに許してくれた。
普通なら行けって言うはずなのに、お母さんはどうして許してくれたんだろう?
そんなことを考えていると……
「氷菜、お母さん、お仕事行ってくるわね」
お母さんがいつもの様子でそう言う。
「うん……行ってらっしゃい」
私もいつものように……とはいかず。
それでも、なるべく明るく言った。
「あっ、そうだ……」
お母さんは何かを思い出したのか……
バッグから1つの紙切れを出して私の前のテーブルに置いた。
「そこ、景色が綺麗って有名なところだから気分転換に行って来たら?少しは気持ちが楽になるかもよ。それじゃ、行ってくるわね」
そう言って、お母さんは家を出た。