あの後、翼くんと一緒に教室に戻った。


だけど、授業には集中できずぼんやりと空を見ていた。



そして、気付いたら放課後だった。


「氷菜ちゃん、途中まで一緒に帰ろう」


翼くんがそう言って立ち上がる。


私の心配をしているのかな……?


そう思った私は断ろうとした。


でも、口を開く前に……


「いいから、帰るよ」


翼くんに腕を引かれて一緒に帰ることになってしまった。


その時、蓮が私のことを見ていたなんて知らずに……。



学校の校門を出ると私の家とは反対の方向に向かう翼くん。


「翼くん?私の家は向こうだよ?」


そう言って静止するも……


「いや、もちろん知ってるよ?ちょっと寄り道して行こうぜ」


どんどん進んで行く翼くん。



一体どこへ向かっているのだろうか……。