「まだ強がるの?お願いだから、私を頼ってよ……」
夏美ちゃんが悲しそうにそう言う。
頼りたい……。
本当は誰かに頼りたい。
だけど、この気持ちは……
この気持ちだけは、きっと誰にも分からない。
恋をしていない夏美ちゃんにはもっと分からないよ……。
だから、誰にも話せなかった。
1人で抱えるしかなかったのに……。
なのに、そんなこと言わないでよ……。
「話しても分かんないよ……。
恋をしていない夏美ちゃんには私の気持ちなんて絶対に分かんないよ!」
「氷菜………」
夏美ちゃんが悲しそうな顔をしてその場から駆け出した。