「氷菜……」
今にも泣きだしそうな夏美ちゃん。
泣かないで……。
私はもう大丈夫だから。
「夏美ちゃん、落ち着いて!私なら、ほら!
もう大丈夫だから!」
目一杯の笑顔でそう言ったのに……
夏美ちゃんの目から涙が落ちる。
「夏美ちゃ……っ!」
夏美ちゃんの名前を呼び終える前に私は夏美ちゃんに抱きしめられていた。
「えっと……、夏美ちゃん……?」
抱きしめられている意味がよく分からなくて呼びかけると……
「ばか!何かあったら言ってねって言ったでしょ!なんで……なんでいつもそうやって1人で抱え込むのよ!」
珍しく夏美ちゃんが怒っている。
それほど、夏美ちゃんに心配をかけてしまったんだ……。
「ごめんね……でも、本当にもう大丈夫だから……」
私は震える声で言う……。