蒼空くんっ──!



私はそう心の中で彼の名前を呼んで階段を上りきった。




目の前には蒼空くんがいた。





「蒼空くん、私っ·····!
私ね、蒼空くんに伝えたいことがあって····」




息を整えてそう言うと······



何が起こったのか──



私は蒼空くんに抱きしめられていた。





「蒼空くん······?」




「俺、佐上さんのことが好きだ」




「えっ·······?」




空耳かと思った。



だって、蒼空くんが私のことを好きだなんて·····

そんなこと有り得ないって思っていたから。