「ははっ·····元気そうで良かった。
じゃあ、氷菜のことはお前に任せた。
泣かせたりしたら許さねーからな」




『それ、こっちのセリフ。

神崎、佐上さんのことで色々とごめん。

それから──ありがとう』



その声が耳に届いてすぐに電話は切れた。




「たくっ·····照れんじゃんか、バカ」



蒼空にお礼を言われたのが嬉しくて

氷菜にフラれたのが少し悔しくて



俺は静かに涙を流していた。








2人とも、どうか、幸せになれよ──。