俺が頼もうとしていたことを先に言った蒼空。
“氷菜のことを諦めないでくれ。
俺の代わりに氷菜と一緒にいてやってくれ”
そう頼もうとしていたのに蒼空は自分の意思でそうすることを誓った。
それが何よりも嬉しかった。
「そっか······。よかった。
諦めないでいてくれて、俺は嬉しいよ」
『勘違いしないで欲しいんだけど····。
俺、お前のことは許してないから。
我慢できなかったからってあんなものを付けたこと、俺は絶対に許さない。』
こいつ、意外とヤキモチ焼きなんだな。
「それは悪かったな。上書きすりゃいいじゃん」
俺は意地悪くそう言った。
『佐上さんが嫌がることは、絶対にしない。
誰かさんと違ってね』
嫌味を含んだ言い方でそう返された。