「話してくれてありがとう。全部、知ってたよ。
氷菜の気持ちがもう俺に向いてないこと、蒼空のことを好きになっていたこと····全部、知ってた。
それでも伝えたいって思ったんだ。伝えないと後悔するって。
だから、フられるのを覚悟して気持ちを伝えた。
でも、抑えきれなくてあんな酷いことまでした。
本当にごめん·····。
今日は氷菜の気持ちが聞けてほんとに良かった。
ありがとな、返事してくれて····」
蓮の声が少し震えているのが分かる。
「蓮······」
「行けよ、アイツのとこに·····。
その首のマーク見られて喧嘩させちゃったと思うけど、お前らならすぐに仲直りできるだろうし·····。
だから、アイツのとこに行って早く結ばれて来いよ。
俺、アイツになら譲ってやってもいいわ」
「もうっ····何それっ!」
こんな時にまでそんな変なこと言って····
蓮らしいね。
「ありがとう。私、行ってくるね!」
そう言って、私は蓮に飛びっきりの笑顔を向けてから学校を飛び出して蒼空くんの元へと向かった。
きっと、いる。
蒼空くんと初めて出会った、あの場所に──。