そのまま歩いている内に駅に着いていた。
駅のホームで電車を待つ。
沈黙が続く。
とりあえず、助けに来てくれたことの
お礼を言わないと·····。
「蒼空くん!
あの、来てくれて、ありがとう·····。
すっごく、嬉しかった·····」
「別に·····。
1人でこの町に来るなんてバカでしょ。
もしかして、俺のこと、探してたの?」
その言葉に恥ずかしさを感じたけど
私はただ、頷いた。
「ふーん·····何のために?
誤解だって言いに来たの?わざわざ?」
なんか、蒼空くん·····
怒ってる·····?
「う、うん·····。
勘違いして欲しくなくて·····。
私は蓮とは······」
何もない──。
そう言おうとしたのに
蒼空くんが珍しく声を荒げたから
言えなかった。
「うるさい·····何も聞きたくない!
勘違いって、なに·······?
何が勘違いなんだよ?
神崎と何かあったのは事実だろ?
それを誤解で済まそうとするなよ····!
神崎の気持ち、少しは考えろよ·····」
蓮の、気持ち·····?