辺りは暗くなってきていた。



蒼空くんは全然見付からない。



「明日にした方がいいかも·····」



私は諦めて帰ることにした。


来た道を戻ろうと振り返った時

突然、口をハンカチで覆われた。




何っ····なんか、甘い匂いが·····




ハンカチから香るその匂いを嗅いだ時


視界がだんだんとボヤけてきて




──私は、意識を失ってしまった。