父さんにそう言われた次の日。



俺は小学校に行く。



「あっ、そらくん!おはよう!
今日はサッカーでもっ······」



遥翔がいつものように挨拶をしながら
駆け寄って来た。


だけど、俺はそれを無視して教室に入った。






「そらくん·····?
僕、何かしちゃったのかな·····?」



何も知らない遥翔はそんなことを呟いていた。






遥翔は何も悪くない。

父さんの言うことを黙って
聞いてしまった俺が悪いんだ·····。



そんなことを心の中で答える。











それからも俺は父さんに叩かれたくないために
父さんの言うことを聞き続けた。






だから、気付かなかったんだ。



遥翔が何かに悩んでいたことに·····。






そのせいで、遥翔を自殺未遂にまで
追い詰めていたなんて······。




······俺は、気付けなかった。