水族館を出た私は
1人、暗い夜道を歩いていた。
夏美ちゃんと蒼空くんが何を話しているのか
それだけが気になって頭から離れなかった。
こんな心が晴れないまま家には帰りたくなくて
私は思い出のあの公園に来ていた。
ベンチに座って夏美ちゃんと
蒼空くんのことを考える。
何で、わざわざ直接言いに行ったんだろう····。
そんなに嬉しかったのかな·····。
そんな事を考えていると
「やっぱりここにいたのか、氷菜」
そう言う、蓮の声が聞こえた。
振り向いて見ると、走って来たのか
息を切らしている蓮がそこにはいた。
「どうして······」
「危ないから送るって返信したのに全然
帰ってこないから心配で探してたんだ」
そうなんだ······。
全然気付かなかった·····。
「蒼空と何かあったのか?」
そんなことを聞いてくる蓮。
何で、分かるんだろう······。
そう思ったけど、私は正直に話した。
蒼空くんが夏美ちゃんからのプレゼントを
受け取った後、直接お礼を言いに行ったこと。
それで、悪い想像ばかりしてしまうことを。