お土産屋さんではお母さんに買う物を
真剣に選んでいた。



クッキーがいいかな?

せんべいは食べないもんね····。



「決まったか?」


蓮がそう聞いてくる。


「うん!これにする」


「おっ、いいね。叔母さん、好きそう」


そう笑顔で言ってくれた。



良かった·····。




「氷菜、これ。ぬいぐるみコーナーに
あったからペンギンと一緒に持って来た」


そう言って渡されたのは

ジンベエザメのぬいぐるみだった。



「わぁっ!!ありがとうっ!
買おうかなって考えてたから助かった!」


蓮にお礼を言う。


「いいよ。さて、そろそろ会計する?」


その言葉に頷いてレジへ並ぶ。



その間、蒼空くんのことを考えていた。


蒼空くんはレストランに着いてから
ずっとスマホをいじっていた。


もしかして、ここに誰か来ているのかな?



彼女、とか····?


自分で考えて傷付いている私····。



「·····氷菜?」


蓮の声に私の思考がそこで止まる。


「次、氷菜だぞ」


その言葉に前を見るとレジの人に心配された。


「す、すみません!お願いします」


謝って、会計を済ませた。







「さて、終わったし蒼空に連絡するか」


蓮のその言葉は私の耳には届いていなかった。


ずっと頭から消えない、蒼空くんの行動····。




「はぁ·····」


蓮がため息をついた。


お、怒らせちゃったかな····?




そう思って蓮の顔を見ると──


蓮は困ったように

でも、優しい笑顔を浮かべていた。