何とか落ち着いてきた。
「急に変なことを言ってすまないね。
だけど、これは事実だから少しずつ
受け入れなければならないんだ。
君のためにも。いいかい?」
虐待を受けているという事実を
受け入れる·····。
「ふぅ·····大丈夫です」
「ゆっくりでいいからね。
また今みたいな発作が出たらゆっくり
深呼吸をするんだ。いいね?」
「はい」
「それじゃ、今日の所はおしまい。
次は2週間後ね。お気を付けて」
礼を言って病室を後にした。
今日、初めて知った俺の過去。
この傷は親に付けられたもの。
俺は嫌われていたのか?
いらない存在だったのか?
じゃないとこんな事しないよな·····。
「こんな傷を残すくらいなら
思い切って殺してくれれば良かったのに」
何考えてんだろ、俺·····。
ダメだ、頭が働かない。
俺は気持ちを落ち着かせるために
展望台へと向かった。