その4日後。
展望台で彼女と出会った日から1週間が経った頃。
その間に彼女がここに来ることはなかった。
だから、こんなに早い時間から
君がいることにちょっと驚いたんだ。
「はぁ···」
展望台から見える景色を眺めながら
君はため息をついていた。
何だかほっとくことはできなくて
気付いたら声をかけていた。
「···制服ってことは、今日は学校に行くんだ?」
そう言うと彼女はびっくりしていた。
目を見開いている。
「朝早い時間に人がいるのは初めてだからちょっと
びっくりした。そんなにここが気に入ったの?」
気になって聞いてみると
「うん。ここ、お母さんとお父さんが初めて会った
場所なんだって」
そんなことを口にした。
そんな理由で気に入るとか
ロマンチストだな·····。
密かにそう思った。
だけど、恥ずかしくなったのか
すぐに言葉を付け足した。
「そ、それにね!ここに来ると、余計な事を
考えなくて済むから···」
余計な事って、もしかして·····。