「理由は·····まだ、言いたくない····。
だけど、これだけは信じて欲しい。
俺、もう氷菜のこと傷付けたりしないから」
氷菜の目を真っ直ぐに見て
強くそう言った。
だけど、それだけ言っても
不安な気持ちは消えないよな。
だって、お前、そんな顔してるもん。
それを察した俺は
「とは言っても···こんなに傷付けておいて
信じて欲しい、なんて無理な話だよな」
そう付け足した。
「だから······
俺のこれからの行動で判断して欲しいんだ。
それでも信じられなかったら信じなくていい。
大丈夫。氷菜を恨んだりなんてしないから」
俺が精一杯考えた唯一の解決策だ。
上手くいくなんて正直思っていない。
だけど、あの頃のように戻りたいから──。
「蓮っ·····私っ·····」
氷菜が泣きながら俺の名前を呼ぶ。