幼馴染みであり、俺の好きな人でもある氷菜に
振り向いて欲しくて色んな女と遊びまくったこと。

そのせいで氷菜を傷付けてしまったこと。

謝りたいのに学校を休んでいて謝れずにいること。


そして、どうしたらいいのか分からずにいること。



それらを包み隠さずに話した。






しばらく黙って聞いていた彼が口を開いた。




「どうしたらいいのか分からないって言ってるけど
答えならもう出てるじゃん」


「は····?」



一体、どういう意味だ?




「悪いと思ってるなら謝ればいい。
それが分かってるのにできないのは君に
覚悟がないからじゃないの?」



俺に覚悟がないから····?


でも、覚悟って何の····?


「覚悟って····?」



「そんなの、行動する覚悟だよ。
幼馴染みならその子の家は知ってるんだろ?
なら、その子の家に行って謝ればいい。

なのにそれをしないのはその子に拒まれるのが
怖いからだろ?」



「··············」



図星だった。



何も言い返せない。



そうだ·····。

俺は、氷菜にまた拒絶されるのが怖いんだ。



今日、いま初めて会ったのに
そんな事を見透かされるなんて

こいつ、何者なんだよ····。



でも、そのおかげで何か吹っ切れた気がした。